リミッターとは?DTM初心者でも分かる仕組み・使い方・コンプレッサーとの違いを徹底解説

DTM

こんなお悩みはありませんか?

  • リミッターって何?
  • マキシマイザーと何が違うの?
  • どうやって使ったらいいの?

この記事ではそんな疑問にお答えし、初心者でもわかるように解説していきます!

目次

  1. リミッターとは?
  2. リミッターが必要な理由
  3. リミッターの仕組み
  4. コンプレッサーとの違い
  5. Ceilingとは?
  6. True Peakとは?
  7. Lookaheadとは?
  8. Releaseの考え方
  9. リミッターで音圧が上がる理由
  10. リミッターの使い方
  11. リミッターとマキシマイザーの違い
  12. おすすめリミッター
  13. よくある質問
  14. まとめ

リミッターとは?

一言でいうと

リミッターとは「設定した音量を絶対に超えさせないRatio∞:1のコンプレッサー」のことです。

リミッターが必要な理由

例えば、

  • ドラムだけ突然大きい
  • ボーカルだけ飛び出す
  • マスターでクリップする

みたいな時ってありますよね。そんな時、リミッターなら上限以上を瞬時に抑える抑えることができます。これによって「何かが飛び出している」という状況を改善することができます。

リミッターの仕組み

リミッターはRatioが∞:1なので、Thresholdを超えた部分の信号に対して×1/∞をする、つまり、0をかけるということですね!0をかけると全部0になってしまうので、飛び出た部分の信号は軒並み切られることになります。

数学的に考える

ちょっと数学的にみてみましょう。

リミッターはOutput=min(Input, Threshold)という非常に単純な処理を行っています。

これは入力信号とThresholdの内どちらか小さい方を採用するという意味です。

つまり、「入力が-10dBならそのまま、-1dBならそのまま、+2dBならThresholdまで下げる」というような動きをするということですね!

コンプレッサーとの違い

項目コンプレッサーリミッター
Ratio2:1~20:1∞:1
目的音量を整える上限を超えさせない
自然さ自然かなり強い
用途MixMaster

Ceilingとは?

多くのリミッターにはThresholdかCeilingがあります。

「この二つは何が違うねん!」とお思いの方も多いと思います。

Thresholdとは「圧縮開始位置」のことです。

Ceilingとは「最終的な最大音量」のことです。

例えば、Threshold=-6dB、Ceiling=-1dBの場合、AttackやReleaseの影響でThresholdを超えてどれだけ入力が大きくなったとしても、出力は-1dBを超えません。文字通りの”天井”ですね。

True Peakとは?

DACからの変換過程で、Peak(瞬間的な音の最大値)が変化してしまうことがあります。そこで、実際に変換した際にどのくらいのPeakになるのかを測るのがTrue Peakです。

最近の配信ではTrue Peakが非常に重要とされています。そのため、True Peak 機能の搭載されているLimiterがマスターで使われることが多いです。

Lookaheadとは?

Look ahead機能とは「どれくらい先を予測して動作するか」を決めるパラメーターです。最近のリミッターのほとんどが搭載しています。「未来を少し見てから今の処理をする」と言った感じでしょうか。なんだかジョジョみたいですね(笑)

例えば、1ms先を見ることで急なピークがあったとしても、あらかじめGainを下げることのよって、それに対応することが可能となります。

リミッターくんの反応速度が追いつかない部分をカバーするための機能なんですね!

Releaseの考え方

リミッターのリリースの時間は結構、音楽的な聞こえ方に差を生みます。

releaseが短いと「音圧は出る、歪みやすい」という印象になり、長いと「自然、パンチは減る」という印象になる関係にあります。

自分の楽曲をどういう方向性でまとめ上げていきたいのかによって、この時間は徐々に変えていくと良いと思います。まずはご自身の楽曲でリリースの時間を変化させて実験してみましょう!

リミッターで音圧が上がる理由

リミッターで音圧が上がるプロセスですが、「音量を上げる→ピークだけリミッターが削る→全体のRMSが上がる→人間には大きく聞こえる」という流れを辿っています。

リミッターの使い方

もちろん、リミッターはその時その時の用途に合わせて用いれば良いのですが、その中でも一般的な手順をご紹介します。

① Ceilingを-1.0dBTPにする

② Thresholdを下げる

③ Gain Reductionを確認(初心者なら1〜3dB程度がおすすめ)

といったフローです。

リミッターとマキシマイザーの違い

リミッターとマキシマイザーって結構似ていますよね。その違いは「アルゴリズム」と「目的」にあります。定量的に見ると、どちらも「ピークを制限する」という基本動作は同じですが、マキシマイザーはラウドネス(LUFSやRMS)を最大化するための処理が追加されたリミッターです。

まずは数式で比較

リミッターはy(t)=min(x(t),T)という非常にシンプルなモデルで表せましたね。

ここで、x(t):入力、T:Threshold、y(t):出力です。

例えば、再三になりますが、以下のような場合、

入力出力
-12 dB-12 dB
-6 dB-6 dB
0 dB-6 dB

Thresholdが-6dBなら「超えない音はそのまま、超えた音だけ止める」というだけです。

一方、マキシマイザーはまず全体をGだけ持ち上げます。

つまり、入力信号がx′(t)=x(t)+Gになります。

例えば、以下のような場合で+8dB持ち上げると、

持ち上げ後
-15-7
-10-2
-5+3

当然クリップします(0dBを超えます)。

そこで、最後にLimiterをかけます。

y(t)=Limiter(x(t)+G)、つまり、マキシマイザーはGain + Limiterなのです。

数値例

元の波形が「-18、-15、-12、-8、-2」という入力信号だった場合、

リミッターだけだと、

Threshold=-6→「-18、-15、-12、-8、-6」となって、平均音量はほぼ変わりません。

マキシマイザーだと

Gain+8dB→「-10、-7、-4、0、+6」となってこれにLimiterをかけると、

Limiter(Threshold=0dB)→「-10、-7、-4、0、0」となり平均音量がかなり上がります。

つまりラウドネスが増えるわけですね!

LUFSで比較

例えば、Mix完成時、Peak -3dB、Integrated LUFS -20LUFSの場合、

リミッターだけなら、Peak -1dB、LUFS -19.8となってほとんど変わりません。

マキシマイザーだと、Peak -1dBTP、LUFS -14となって、かなり大きく聞こえます。

RMSでも比較

元のPeak -3、RMS -18の場合、

マキシマイザーを使うと、Peak -1、RMS -10となってPeakはほぼ変わらないのに平均音量だけ増えています。

Crest Factorで見る

音圧を考える時に重要なのはダイナミクスの指標として使われるクレストファクターです。

Crest Factor=Peak−RMSです。

例えば、Peak=-1、RMS=-16ならCrest=15dB となります。

これに対してマキシマイザーをかけると、Peak=-1、RMS=-9、Crest=8dBとなり、ピークは変わらず平均音量だけ増えるため音圧が高く感じられるようになります。

アルゴリズムの違い

リミッターは「入力→Threshold判定→超えたら抑える→出力」という処理の流れです。

一方、マキシマイザーは「入力→ゲインアップ→Lookahead→Limiter→True Peak補正→ISP補正↓Adaptive Release↓出力」という流れです。

つまり、内部ではLookahead、Adaptive Release、True Peak Limiting、ISP(Inter-Sample Peak)検出、ラウドネス最適化などの複数の処理が組み合わさっているんですね。。。

本質的な違い

定量的に言えば、

リミッターは「ピーク値(Peak)を制御する装置」

マキシマイザーは「ピーク値を一定に保ちながら、LUFS・RMSを可能な限り高める装置」

と言えます。

ただし、近年では高性能なリミッター(FabFilter Pro-L 2など)もマキシマイザー的な機能を備えているため、実際には両者の境界はかなり曖昧になっています。そのため現在は「マキシマイザー=ラウドネス最適化に特化した高機能リミッター」と理解するのが最も実態に近いでしょう。

おすすめリミッター

ここからはおすすめのリミッター、マキシマイザーを紹介していこうと思います。

初心者向け

・Logic Adaptive Limiter

Logicに標準で備わっているマキシマイザーです。意外とパラメータが少なくて見やすいので、初心者向けな気がします。

・Ozone Maximizer

もはや現代のDTMをやっている人ならば、ほとんどの人が持っているんじゃないか、とも思えるほど普及しているizotope社のマキシマイザーです。これは簡単にそれっぽい音にしてくれるので初心者向けだと言えます(少しお高いですが…)。

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中〜上級者向け

・FabFilter Pro-L2

プロ御用達のプラグインであるFabfilterから出ているリミッター(マキシマイザー)です。

歪みが少なくクリアな音質で音圧上げをできることで有名です。いわゆる「破綻しない音」にできると評判です。

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よくある質問

Q:リミッターだけで音圧は上がる?

A:ある程度上がりますが、Mixが悪いと音圧上げには限界があります。

Q:コンプレッサーとどちらを先に使う?

A:通常は「Compressor→Limiter」の流れで使用します。

Q:マキシマイザーとの違いは何?

A:現在のマキシマイザーはほぼ高性能リミッターと言ってもいいでしょうね、あまり変わりません。

まとめ

今回の内容をまとめると、

  • リミッターは「音量の上限を決める装置」
  • Ratioは実質∞:1
  • True Peakが重要
  • マスタリングでは必須
  • 音圧を上げる最後の仕上げ

となります。

マスターでリミッターやマキシマイザーがかかっていない曲は昨今ほとんどありません。なのでこれらも使いこなせるように、やはり耳を鍛えて、どの程度かけるのが良いかを聞き分ける練習をしていく必要があると思います。私も精進中ですので一緒に頑張りましょう!

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